電線管の種類 |
電線管は、電力や通信等に用いられる電線類を収納し、保護する役割をしています。
■電線管の役割
電線類の物理的な保護です。収容電線類の絶縁性能が悪化しても外部への漏電の影響を低減し、金属製電線管路は電磁遮へい効果があり、環境の磁界強度を減少もできます。
電線からの火災拡大の防止、火災時の電線類の保護(耐燃性のないものを除く)電線類を隠し美観性を保ちます。
隠ぺい配線における電線類の入れ替え等、メンテナンスが容易です。
■電線管の種類
厚鋼電線管(あつこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が厚いものです。機械的強度に優れており、主に屋外や工場内の金属管工事に使用されます。G管ともいいます。
薄鋼電線管(うすこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が薄いものです。屋内の金属管工事に使用されることが多いです。C管ともいいます。
ねじなし電線管
厚鋼・薄鋼電線管とは異なり管端にねじが切られていないものです。薄鋼電線管よりも管の肉厚が薄いため、管を通す電線の本数も増やすことができ、E管ともいいます。

合成樹脂製可とう電線管
JIS C 8411で規格化されており、次の二種類があります。
PF管(Plastic Flexible conduit、ピーエフかん)
耐燃性のある合成樹脂管で、単層のPFSと複層のPFDがあります。

CD管(Combined Duct、シーディーかん)
耐燃性のない合成樹脂管。管の色をオレンジ色に着色してPF管と区別します。
金属製可とう電線管
JIS C 8309で規格化されている2種金属製可とう電線管や、厚鋼電線管のサイズのもの(KICなど)があります。

その他の電線管
硬質ビニル電線管
JIS C 8430で規格化されています。一般に用いられるVE管と、耐衝撃性のあるHIVE管があります。

ケーブル保護用合成樹脂被覆鋼管
JIS C 8380で規格化されています。PLP管ともいいます。
波付硬質合成樹脂管
地中埋設用の配管です。FEP管ともいいます。
JIS C3653「電力用ケーブルの地中埋設の施工方法」に規格があります。